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ビブラートあれこれ - 5つのスタイル

シンガーのみなさん、こんにちは!今日はビブラートについて書きたいと思います。

今月のジャスティンのビデオ翻訳を見ていただいた方はわかると思いますが、ビブラートは自然に起きるものではなく、自分でコントロールできるもの、でしたね。

翻訳はこちら

ということは、一口にビブラートと言っても、様々な形があることは想像がつくと思います。今回は、ポップ、ロック、ジャズ、R&B、クラシカルと、5つのジャンルの有名な歌手を通じて、その多様性について一緒に見ていきたいと思います。


ポップ
マイケル・ジャクソン

マイケル・ジャクソンの名バラードのひとつ、 "She’s Out Of My Life" です。マイケルのヴォーカル・スタイルというと、子音を強調したパーカッシヴ(打楽器的)な唱法や、「アーウ!!」などの高音でのスクリームが目立ちますが、ビブラートも使っています。"She’s Out Of My Life..." と歌う時の彼の "Life..." は震えて聴こえますね。ピッチ(音の高さ)が上下しているというよりは、「ラーアアアアアアイフ」と同じ音の中で母音の言い直しを繰り返しているように聴こえます。特徴的で耳に残るし、美しいですね。


ロック
フレディ・マーキュリー

彩豊かな音楽性で、今でも人気が途切れないバンド、クイーン。最近は映画でも話題になりましたね。ヴォーカル・フレディの、ほかに代えることができない存在感もバンドの大きな魅力です。 "I Was Born To Love You" では、ロック・シンガーらしいディストーション(歪み)の効いたかっこいい声が、全編の力強いメッセージを支えています。ほとんどのフレーズはストレート・トーン(ビブラートを使わない唱法)で歌われていますが、サビの1フレーズ "With Every Single Beat Of My Heart" では "Every" の "E" にビブラートが使われています。速くて細かいのが特徴ですね。さらに 3:54 あたりの "Life" でもビブラートをつけた圧倒的な迫力の声を聴くことができます。


ジャズ
エラ・フィッツジェラルド

スキャット* を使って縦横無尽に歌い倒す彼女は、ジャズ・ヴォーカルの代名詞とも言えるでしょう。力強くも柔軟な彼女の声には包まれるような安心感があります。映像は巨匠、デューク・エリントンのバンドとの演奏 "Duke’s Place" です。歌詞を使って歌う以外に、他のバンドメンバーのソロのように、スキャットで歌う姿が見られますね。ビブラートはかけたりかけなかったりしていますが、それは全て音楽のなかでどちらの方がいい感じに聴こえるか選択して歌ってるからです。細かくて速いビブラートは高いヴォーカル・テクニックから来ていて、非常に心地良いです。


*(特にジャズで)「ダバダバ」など意味のない言葉で、楽器を演奏するように即興的に歌うこと


R&B
ホイットニー・ヒューストン

ホイットニーはゴスペルをバックグラウンドに持つ歌手で、その才能と鍛錬から来る歌唱は聴く人を大いに納得させる力があります。力強いビブラートはクラシカルのそれと似た形に思えますが、声が違って聴こえる理由は、クラシカルの女性歌手はヘッド・ヴォイスを主体として歌う一方、ゴスペル歌手はチェスト・ヴォイスとミックス・ヴォイスを主体として歌うからです。ちなみにホイットニーはよく、顎を使ってビブラートをしている、と言われていますが、実際には顎を震わせていなくてもビブラートをかけているので、顎でかけているというより、ただの癖なのだと思います。


クラシカル
ルチアーノ・パヴァロッティ

パヴァロッティの愛称は「キング・オブ・ハイ・C」です。ハイ・Cは一般的にテノール歌手が出す最高音のことで、パヴァロッティが高音をいとも簡単に歌うことから、この愛称が付きました。映像はヴェルディのオペラ「リゴレット」から「女心の歌」です。若い頃のモスクワでのライブ映像ですが、品のある歌声と独特のお茶目さが交わって、最高の歌唱になっています。オペラ歌手はほぼ常にビブラートをかけて歌っているので、わかりやすいですね。パヴァロッティは歌声に無理が全くなくて、最高のお手本になると思います。


以上が5つのジャンルのビブラートに関する少しの分析でした。好きな歌手やスタイルはありましたか?音楽性やヴォーカルのことについてどう感じましたか?ご感想やご意見、お待ちしております。

 

佐藤剛寿

 

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